中日新聞
2019年6月29日(土)00時19分

岐阜市職員と業者逮捕 鵜飼、航路工事で贈収賄容疑

 岐阜市が発注する鵜飼観覧船の航路しゅんせつ工事に絡んで便宜を図り、業者から謝礼を受け取ったとして、岐阜県警は28日、収賄の疑いで岐阜市鵜飼観覧船事務所職員、杉原明容疑者(57)=同市鏡島南、休職処分=を逮捕した。また、贈賄の疑いで同市の土木会社「丸平工業」役員、吉本和彦容疑者(64)=同県瑞穂市美江寺=を逮捕した。

 逮捕容疑では、杉原容疑者は同事務所で運航管理係長だった2018年3月上旬、17年7月~18年1月にあった計5回の長良川のしゅんせつ工事を受注するために便宜を図った見返りとして、吉本容疑者から100万円を受け取ったとされる。県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。

 鵜飼観覧船の船着き場と長良川本川の間の航路では、川底の岩や泥を取り除くしゅんせつ工事が年に数回行われており、市は随意契約で業者を決めている。

 県警によると、杉原容疑者は随意契約するに当たって、見積もりを取る業者の選定を担当していた。

 杉原容疑者は03年から鵜飼観覧船事務所で勤務し、11年から運航管理係長だった。市によると、観覧船や航路の維持管理などに従事し、事務所では中心的な役割を果たしていた。

 今年2月以降、16~18年にボート整備業者と共謀し、実際には行っていない観覧船の修理費を架空請求して市から計約105万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で3回逮捕・起訴された。市は今年3月、休職処分とした。