福井新聞
2018年11月9日(金)午前7時10分

消防士が酒気帯び運転、懲戒処分
南越消防、免許失効で消防車運転者も

 南越消防組合(福井県)は11月8日、酒気帯び運転で福井県警越前署に摘発されたとして、同組合東消防署池田分署の男性消防士(23)を、同日付で停職6カ月の懲戒処分にした。合わせて運転免許証の有効期限の更新を忘れ、免許が失効した状態で消防車や救急車を約1カ月間運転していた同消防署の男性消防士長(34)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。同組合が同日発表した。

 同組合によると、消防士は5日午後9時ごろ、酒気を帯びて越前市の県道を軽乗用車で運転。パトカーに制止され、呼気1リットル当たり0・15ミリグラム以上のアルコールが検出された。同消防士は同組合に「検出量は0・38ミリグラムだった」と報告している。

 同消防士は同日午後7時ごろから、市内の飲食店で友人と2人で酒を飲んだ後、友人を家まで送ろうと店から2分ほど運転したところ、パトカーに停車を求められた。「幼なじみと飲んで気が緩んでいた。してはならないことをしてしまった。職場の同僚、全国の消防士に迷惑をかけた」と話しているという。

 消防士長の免許証失効は6日の朝礼の携行確認で判明した。同組合では年3回、免許証の定期確認をしており、8月の確認時に所属長が10月2日の有効期限が近いことを指摘していたが、更新していなかった。消防士長は「気が緩んで忘れていた。申し訳ない」と話してるという。

 消防士長は有効期限が切れた約1カ月間に救急車で5回、消防車で1回出動。公用車を6回運転していたほか、自家用車で通勤していた。失効が判明した6日中に県丹南運転者教育センターに届け、免許証を再取得している。

 同組合は管理監督責任を問い、松原正則・東消防署長を減給10分の1(1カ月)、消防本部の上野和美消防長を書面訓戒、同本部次長2人を厳重注意とした。

 会見した上野消防長は「いずれも厳しく非難されるべき行為。全職員に法令順守の徹底を図り、職員は全体の奉仕者であることを改めて自覚させ、住民の信頼回復に全力で取り組む」と謝罪した。