毎日新聞
2018年9月20日(木)20時25分

大阪府警
拾得物の現金詐取の疑い 巡査ら3人逮捕

 拾得物の現金計数十万円をだまし取ったとして、大阪府警は20日、府警南署警備課の巡査、小林崇隆容疑者(24)=大阪市浪速区=と知人ら計3人を詐欺の疑いで逮捕した。小林容疑者は昨年11月以降、府内の拾得物情報を管理する府警のシステムで主に現金の情報を百数十回閲覧。知人2人を落とし主に仕立て、総額100万円を超える現金をだまし取った可能性がある。

 他に逮捕されたのは、いずれも堺市南区に住む会社員、川崎峻吾(25)と、建設作業員、中野嵐(25)の両容疑者。

 逮捕容疑は今年4月と6月の2回、川崎と中野の両容疑者が落とし主になりすまし、大阪市内の二つの警察署に保管されていた拾得物の現金計数十万円をだまし取ったとしている。小林容疑者は容疑を認め、他の2人は「自分の物を取りに行った」と否認している。

 監察室によると、6月下旬、「現金を落とした」と言って十数万円を受け取りに来た川崎容疑者を不審に思った署員が調べたところ、過去に何度も現金の返還を受けていたことが判明。いずれも小林容疑者が拾得物管理システムで現金が拾得された日時や場所などを閲覧した履歴が残っていた。

 このシステムは、府内全65警察署に届けられた紛失・拾得物の情報を一元的に管理。府警は、小林容疑者が当直勤務中に公用パソコンで情報を閲覧し、連絡を受けた2人が落とし主になりすましていたとみている。

 山田吉之監察室長は「警察に対する信頼を損なう事案。府民の皆様に深くおわびする」とのコメントを出した。

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毎日新聞
2018年10月31日(水)19時52分

大阪府警
拾得物詐取で24歳警官を懲戒免職

 大阪府警の警察官らが拾得物の現金を詐取したとされる事件で、府警は31日、詐欺などの疑いで再逮捕された南署巡査の小林崇隆(むねたか)容疑者(24)を懲戒免職処分とした。監督責任を問い、南署長ら計6人も警務部長注意などにした。

 監察室によると、小林容疑者は昨年11月~今年6月、拾得物情報を管理する府警のシステムを悪用。知人ら2人を落とし主に仕立て上げ、12回で現金計305万円をだまし取ったとされる。だまし取った現金は3人で均等に分配していたという。

 一方、大阪地検は31日、3人を詐欺罪などで追起訴した。

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朝日新聞
2019年3月20日(水)21時56分

「落とし物最高」 現金3百万円着服の元巡査に有罪判決

 警察が落とし物を管理するシステムを悪用し、現金計約305万円をだまし取ったり着服したりしたとして詐欺や業務上横領などの罪に問われた大阪府警南署警備課の元巡査、小林崇隆(むねたか)被告(25)に対する判決が20日、大阪地裁であった。海瀬弘章裁判官は「市民の警察官への信頼を失墜させた」として、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、小林被告は2017年11月~18年6月、府警の遺失物管理システムを利用し、拾得日時や金額、財布の特徴などを中野嵐被告(25)=詐欺罪で懲役2年執行猶予4年の判決=と川崎峻吾(しゅんご)被告(25)に伝達。両被告が落とし主を装って、遺失物として届けられた現金などを受け取り、計12回にわたり計約305万円を詐取したり横領したりした。

 判決は、詐欺罪などに問われた川崎被告については「遺失者役として詐欺行為を担った」として懲役2年6カ月執行猶予4年(求刑懲役3年)とした。

 検察側は昨年11月の初公判で、被告らがこの手口を「OS(オーエス、落とし物最高)」という隠語で呼んでいたと指摘していた。