毎日新聞
2018年6月9日(土)

山梨県警
招待券受領 笛吹署、管内健康ランドから

 山梨県警笛吹(ふえふき)署が今春、管内にある温泉施設「石和(いさわ)健康ランド」から、1枚2050円相当の入浴券約10枚を受け取っていた。毎日新聞の取材で判明した。県警は「事実関係を確認中」としているが、同署幹部は授受を認めている。

 同署幹部によると、3~4月ごろ署を訪れた施設関係者から10枚程度を手渡された。幹部は「署の代表として受け取った」としたうえで「ほとんど使っていない」と話した。施設を運営する法人の役員は取材に対し、営業活動の一環として以前から渡していることを認め「(年間で)二、三十枚くらい。住民にも配る招待券で利益をもらおうとかではない」と述べた。

 同署は風営法上、施設を指導・監督する立場にあり、立ち入り権限を持っている。

 県警は寄付を受ける場合、県警本部長の許可を受けなければならないと定めている。

 国際基督教大の西尾隆教授(行政学)は「立ち入り権限があれば利益供与に当たるケースと考えられる。賄賂ではないにしても、市民感覚からみるとおかしい。県警には説明責任が生じる」と話している。