NHK NEWS WEB
2018年4月11日(水)22時29分

警察官撃たれ重体 撃ったのは警察官で逃走中 滋賀 彦根

滋賀県警察本部によりますと、11日午後9時ごろ、滋賀県彦根市の河瀬駅前交番で、警察官が同僚の警察官を拳銃で撃ち、その場から逃走したということです。

撃たれた警察官は病院に搬送されましたが、意識不明の重体だということです。

また、撃った警察官は拳銃を持ったまま交番からパトカーで逃走したと見られ、彦根市の隣の愛荘町でそのパトカーが見つかり、警察が行方を捜査しています。


交番は駅前 周辺には住宅街も

滋賀県彦根市にある河瀬駅前交番は、JR東海道線の河瀬駅前にある交番で、周辺は住宅街が広がっているほか、学校などもあります。彦根市中心部にある彦根城からは南に7キロほど離れています。

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NHK NEWS WEB
2018年4月12日(木)5時57分

警察官撃たれて死亡 19歳巡査を殺人容疑で逮捕 滋賀 彦根

滋賀県彦根市の交番で警察官が拳銃で撃たれて死亡した事件で、警察は現場から逃走していた19歳の巡査を殺人の疑いで逮捕しました。警察は巡査が所持していた拳銃の捜索を続けています。

11日午後9時前、滋賀県彦根市の河瀬駅前交番で、この交番に勤務する井本光巡査部長(41)が頭と背中から血を流して倒れているのが見つかりました。井本巡査部長は、現場の状況から背後から拳銃で撃たれたとみられ、搬送先の病院で死亡しました。

滋賀県警察本部は、11日の朝から一緒に勤務していた19歳の巡査が拳銃で撃ったと見て、市民に危険が及ぶおそれがあるとして名前と写真を公開して行方を捜査していましたが、12日未明、隣町の愛荘町で身柄を確保し、午前5時半すぎに殺人の疑いで逮捕しました。

巡査が逃走して乗り捨てたとみられるパトカーは愛荘町の田んぼで見つかっていますが、巡査が所持していた拳銃は発見されていないということで、警察はパトカーが見つかった付近で捜索を続けています。

巡査は去年4月に警察官として採用されことし1月末に彦根警察署の地域課に配属されたばかりで、警察は詳しいいきさつについても調べています。

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NHK NEWS WEB
2018年4月12日(木)9時04分

殺人容疑で巡査逮捕 滋賀県警が謝罪「深くおわび申し上げる」

滋賀県彦根市の交番で警察官が拳銃で撃たれて死亡し、19歳の巡査が殺人の疑いで逮捕された事件で、滋賀県警察本部が会見し、「警察官が貸与された拳銃を使用して殺人事件を起こしたことは極めて遺憾で、深くおわび申し上げます」と謝罪しました。調べに対し、巡査は容疑を認めているということです。

11日午後9時前、滋賀県彦根市の河瀬駅前交番で、この交番に勤務する井本光巡査部長(41)が拳銃で撃たれて倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡しました。

警察は11日に一緒に勤務していて行方がわからなくなっていた19歳の巡査が、11日午後8時前に交番の中で巡査部長の頭や背中を拳銃で撃って殺害したとして、12日朝、殺人の疑いで逮捕しました。

巡査の逮捕を受け、滋賀県警察本部が午前8時から会見し、武田一志警務部長が「警察官が貸与された拳銃を使用して殺人事件を起こしたことは極めて遺憾であり、ご遺族、県民の皆様に深くおわび申し上げます。逮捕された職員については捜査状況を踏まえ、厳正に対処いたします」と謝罪し、1分余りにわたって頭を下げ続けました。

警察によりますと、巡査は調べに対し「間違いありません」と述べ、容疑を認めているということです。

巡査は犯行のおよそ6時間後の午前1時半すぎに愛荘町の近江鉄道の線路の上を歩いているところを発見され、身柄を確保された際、落ち着いた様子だったとしています。

所持していた拳銃は手錠や警棒などとともに、逃走に使って乗り捨てたパトカーの近くの田んぼの中から見つかったということです。

捜査関係者によりますと、巡査は身柄を確保された際、「罵倒されたので拳銃で撃った」などと話していたということですが、会見の中で警察は2人の関係に問題があったとは把握していないと述べ、今後の捜査で明らかにしたいとしています。

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NHK NEWS WEB
2019年2月4日(月)16時32分

警察官射殺事件 妻が法廷で証言「謝罪を受け入れきれない」

去年、滋賀県彦根市の交番で、教育係の上司を拳銃で撃って殺害した当時19歳の元巡査の裁判で、4日、被害者の妻が法廷で「今は夫を失った悲しみが強く、謝罪を受け入れきれません」などと述べて厳しい処罰を求めました。

当時19歳の元巡査は、去年4月、勤務していた彦根市の交番で、上司の巡査部長で教育係だった井本光さん(41)を拳銃で撃って殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われています。

大津地方裁判所で行われている裁判員裁判は4日、井本さんの妻が証人として出廷しました。

井本さんの妻は、元巡査が井本さんから親の悪口を言われ、我慢できなくなったなどと主張していることに対し、「夫は理由もなく人を怒ったり、愚弄したりするような人ではありません。他人の両親をばかにするようなことは言っていないと信じています」と述べました。

そのうえで、「警察官は一段と高い倫理観を持ち、法律を順守するべきで、被告が未成年であっても許せない気持ちでいっぱいです。今は夫を失った悲しみが強く、謝罪を受け入れきれません。厳しい処罰をお願いします」と、時折、涙声になりながら訴えました。

元巡査は、井本さんの妻が証言している間、うつむき加減で顔を赤らめ、唇を震わせながら涙を流していました。


妻の証言 井本さんの人柄

みずからも現職警察官の妻は井本さんの人柄について「平成13年に警察学校に入校した同期で、明るく楽しく、一緒にいて安らげる人でした。結婚後、長く子どもができなかったので、1人目を授かったときは誕生をとても楽しみにしていました。2人目が生まれてからも、私の体や子どもの成長をとても心配してくれて、家事を手伝ってくれたり、どこかに連れて行ったりしてくれました」と述べました。


被告の発言について

元巡査が犯行の直前に親の悪口を言われたと主張していることについては、「夫は理由もなく人を怒ったり愚弄したりするような人ではありません。他人の両親をばかにするようなことは言っていないと信じています。ふだんから友達とか家族を大事にしている人だったので、知らない人のことを悪いように言う人ではありません」と述べました。


事件後の心境について

事件後の心境については、「私が出産に伴う体調不良で入院したことで、夫は交番で勤務することになったが、それさえなければ、このようなことにはならなかったと自分を責めていました。家の中にいても職場にいても、夫のことを思い出すのでつらいです」と涙で声を震わせながら話していました。


残された子どもについて

井本さんの子どもたちが父親の死にどう向き合っているのか問われると、「4歳の長男は『パパいつ帰ってくる?』と今でも聞いてきてなんと答えたらいいかわかりません。父親を最後に見た葬儀場に行けば会えると思って行きたがりますが、その姿を見るとつらい思いでいっぱいになります。夫は子どもの成長を楽しみにしていたので、その姿を見られないのは無念だろうと思います」と述べました。


被告に対して

そして元巡査に対しては、「警察官は一段と高い倫理観を持ち、法律を順守するべきで、未成年であっても許せないという気持ちでいっぱいです。今は夫を失った悲しみが強く、被告からの謝罪を受け入れきれません。厳しい処罰をお願いします」と訴えました。