福井新聞
2018年3月23日(金)午前7時00分

上司名の印鑑購入し不正事務処理
敦賀市職員を懲戒処分

 上司名の印鑑を勝手に購入するなどして計16件の公金支出文書に決裁印を押印したとして、福井県敦賀市は3月22日、危機管理対策課の男性係長(39)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。公金の不正支出はなかったことから刑事告訴は検討していない。

 市によると係長は、2016年度に行われた西浦小中と常宮小の放射線防護システムの各点検業務で、業者への支出に向けた起案書作成を失念。17年1~2月に当時の市民生活部長や危機管理対策課長の印鑑に似た印影のものを購入したり、同課員の印鑑を無断で持ち出したりするなど、不正に事務処理を行った。

 係長は手書きで印影をまねたりするなど、その後もさらに14件の会計伝票などへの無断押印を行った。内部調査に係長は「上司に怒られるのが嫌だった」と話しているという。昨年12月、同じ課の職員が伝票を整理した際、印影がおかしいことに気付き、不正が発覚した。

 市は22日会見を開き、刀根茂総務部長が「公務員としてあるまじき信用を失墜する行為。深くおわび申し上げる」と陳謝した。再発防止の具体策として▽決裁印を厳重に管理する▽公文書は課全体で管理する-などを挙げた。

 監督責任を問い、市民生活部長と危機管理対策課長を総務部長口頭訓告に、農林水産振興課長と危機管理対策課長補佐を厳重注意とした。