毎日放送
2018年02月06日(火)20時40分

甲賀市選管「白票」水増し 投票用紙を焼却した職員を直撃取材

 滋賀県甲賀市では職員の信じられない不正です。去年、衆院選の開票作業で票数が合わなかったことから、職員3人が数百票を「白票」とする不正処理を行い、その後に投票用紙は見つかりましたが、今度は「焼却処分」したというのです。MBSは6日、職員らを直撃しました。

 「深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」(甲賀市 岩永裕貴市長)

 緊急の会見を行った甲賀市の岩永市長。去年10月の衆院選の開票作業で起きた職員の不正処理を謝罪しました。甲賀市によりますと、衆院選・滋賀4区の開票作業中、開票した数が投票数より数百票少ないことに職員が気づきました。会場内を探しましたが投票用紙は見つからず、誤差分については事務局長を兼ねる総務部長や総務課長ら3人が相談して無効票となる白票としました。

 「『確認できませんでした』という職員からの返事を聞いて、(総務部長らは)『これはもうダメだ』と思って気が動転して、非常に焦ったと」(甲賀市選管 松山仁委員長)

 すると開票作業が終わったあと、開票済みの投票箱を保管している部屋から開封されていない投票箱が見つかったのです。それを見た総務部長らは…

 「見つかった投票済みの用紙を1人が廃棄処分しました」(甲賀市選管 松山仁委員長)

 甲賀市民の票は、職員らに燃やされてしまったというのです。しかし、今月1日になり内部通報で不正が発覚。3人は市に対し不正処理の事実を認めているということです。MBSは投票用紙を焼却をしたとされる総務課長のもとへ…

 Q.焼却したかどうかだけ教えていただけますか?
 「あれ(自宅の焼却炉)を使いました。選挙の適正な執行という点で、ご迷惑をかけたり信用失墜させたりした。本当に謝るだけです。すいませんでした」(総務課長)

 有権者が希望を託した数百票は、灰になってしまいました。これには甲賀市民も怒り心頭です。

 「そらあかんやろ。民主主義の根本やんか。最悪や」(市民)
 「有権者を馬鹿にしているというか、ないがしろにしたということでしょ。一人一人の思いが消されてしまっている。たとえ一票でもその人の思いが入っている」

 この衆院選に滋賀4区から出馬していた西沢耕一さんも…

 「(不正処理されたのが)1票とか100票とか、多い少ないの問題ではない。みなさんの意思が示されていることに大事な意味がありますから。民主主義の根幹の選挙への信頼を揺るがす大問題だと思います」(滋賀4区で出馬した西沢耕一さん)

 さらにMBSは不正を行ったうち、最も役職が高い総務部長の自宅も訪ねました。しかし・・・

 Q.簡単な事実について教えてください
 「そういうことをしゃべりだすと止まらなくなるので。時期が来ましたら説明します」(総務部長)
 Q.焼却の判断は誰が?
 「・・・」

 3人は自宅で待機処分を受けていて、警察は公職選挙法違反などの疑いで捜査する方針です。