2012年07月27日(金)19時03分 フジテレビ FNNニュース

警察官集団セクハラ 被害警察官「逆らうと今後の仕事に影響が」

警察不信につながる不祥事が神奈川県警で明らかになった。男性警察官4人が、女性警察官に集団セクハラ。

2012年3月、神奈川県警大和署の男性警察官4人が、同僚の女性警察官に対して、服を脱ぐよう強要したり、無理やりキスをしたりするなど、集団でセクハラ行為をしていたことがわかった。集団でのセクハラという卑劣な行為の舞台となったのは、閉ざされた空間「カラオケボックス」だった。

2012年3月、大和警察署の30代の警察官4人は、カラオケボックスに同僚の20代女性警察官を呼び出した。
そして、女性警察官に対し、自分たちの目の前で衣服を脱いで、男性警察官が着ていたワイシャツやズボンと交換するよう強要した。さらに、このうち1人は、女性警察官の頬に、無理やりキスをするなどしたという。

この春、異動になった女性警察官が、異動先の上司に申告して、この問題が発覚した。セクハラ行為を受けた20代の女性警察官は、県警の調査に対し、「逆らうと、今後の仕事に影響するから従った」と説明しているという。
当時、勤務時間外で酒を飲んでいたという4人の男性警察官。
全員が事実関係を認めているという。


つい最近では、神奈川県警の巡査部長・正代堅司容疑者(31)が、当時高校2年の女子生徒に裸の写真を撮らせ、携帯メールで送信させた疑いで、警視庁に逮捕されるという不祥事も発覚した。

また1999年には、戦後警察最悪ともいわれた不祥事が発覚した。
現職警察官の覚せい剤使用を、県警上層部が組織的に隠蔽(いんぺい)する事件が発生。国民の警察への信頼を、完全に失墜させる事態になった。

1999年、神奈川県警は「警察官の不祥事案を隠蔽する目的で、犯人隠避、証拠隠滅を図ったという、本県、警察史上、例を見ない事件であり、誠に遺憾の極みであります」と謝罪した。
警察の再生を目指し、警察刷新会議が設置されるそもそもの発端となったこの前代未聞の事件を起こしたあとも、神奈川県警は悪質な不祥事を次々と引き起こしてきた。

ニュースでもおなじみになるほどに謝罪会見を繰り返してきた神奈川県警。

神奈川県警によると、刑事事件として立件することも検討したものの、女性が被害届を出していないことから、立件を見送ったうえで、近く、4人を処分する方針だという。

FNNの取材に対し、神奈川県警は、「今一度、警察改革の原点に立ち戻り、職務倫理教養をはじめとする諸施策を推進し、非違事案の防止と信頼回復に努めてまいります」と、「信頼回復」という、いつもの言葉を繰り返していた。

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2012年08月19日(日)16時00分 週刊実話 WEEKLY JITSUWA WEB

集団セクハラに非難轟々 神奈川県警美人警察官を辱めた“強制ストリップ”

「騒動が報道されてからは県警本部や所轄の電話が鳴りっぱなし。抗議が300件以上も殺到したという。だが、それも当然の話。うら若き婦人警官を、まるでセクパブ嬢のようにキスしまくったり、ブラウスを脱がせたというのだから、あぜんとするばかりです」
 県警詰め記者が呆れ返るのは、7月27日に発覚した神奈川県警の集団セクハラ騒動。そのハレンチぶりは、県警内部でも評判となっているのである。

 同騒動が起きたのは今年3月上旬。その日の夜、県警大和署に勤務する30代の男性警官4人が、大和市内のカラオケボックスで酒盛りをしていたが、そこに同じ所轄に勤務する女性警官(23)を呼び寄せたのである。
 「酒宴に参加していたのは、刑事2課の警部補と巡査部長(現在は県警暴力団対策課)、刑事1課の巡査長、交通2課の巡査部長の4人。最初はこの面子で飲んでいたが、『男だけではつまらない』と、件の女性警官を呼び出したのです」(神奈川県警関係者)

 被害に遭った女性警官は、この直前に「4月からの人事異動」を内示されており、「異動先に知り合いがいる」と言葉巧みに呼び寄せられたという。そして、有り得ないセクハラの洗礼を受けたのだ。
 「ボックスでは4人が赤ら顔で取り囲み、まず巡査部長が『服を脱げ!』と命じたという。それに女性警察官が躊躇していると、交通2課の巡査部長が顔を押さえつけて無理矢理何度もキスをした。また、刑事2課の巡査部長は、『オレの服と交換しろ』と半ば強制的にストリップを要求。女性警官は、目をギラつかせた男たちの前でブラウスを脱ぎ、服を着替えたのです」(前出・県警詰め記者)

 また、社会部デスクはこう話す。
 「この“強制ストリップ”の間中、男たちは女性警官に喝采を浴びせたり、身体に触ったりとやりたい放題だった。しかも、この女性警官は所轄でも美人と評判だったらしく、『最初から送別会代わりに凌辱しようとしたのでは?』との見方も浮上しているのです」

 今回の騒動が発覚したのは、この被害に遭った女性警官が異動後上司に報告し、「被害届を提出する!」と息巻いたから。
 大慌ての神奈川県警は、当初内部処理しようとしていた方針を改め、立件の可能性もにおわせ始めているが、身内に甘い体質は断罪されるべきである。

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2013年1月19日(土)14時26分 MSN産経ニュース

女性警察官の服脱がせキス 容疑の巡査部長2人逮捕

 後輩の20代の女性警察官に服を脱ぐことを強要するなどしたとして、神奈川県警は19日、強要と暴行の容疑で県警交通総務課巡査部長の森克演容疑者(35)を、強要の容疑で県警暴力団対策課巡査部長の荒川好和容疑者(38)を逮捕した。

 県警の調べなどによると、両容疑者は県警大和署に勤務していた平成24年3月11日、同県大和市内のカラオケ店で、女性警察官に対し森容疑者の服とブラウスやズボンを交換させるなど強要。さらに、森容疑者は女性警察官の不意をついて頬にキスをする暴行を加えた疑いが持たれている。

 両容疑者は送別会の二次会で酒に酔っており、当日休みだった女性警察官を電話で呼び出していた。荒川容疑者は異動を控えていた女性警察官に、「異動先の上司は知っている。付き合いが悪いと仕事はつとまらない」と言ったという。

 森容疑者は容疑を認めて退職の意向だが、荒川容疑者は否認。カラオケ店では別の男性警察官2人も同席していたが、県警では「犯罪行為に加担したとはいえない」とした上で、処分を検討している。

 昨年4月に女性警察官が異動先の上司に報告し、8月に被害届を出していた。山岸直人警務部長は「警察官としてあってはならない行為であり、誠に遺憾」とコメントした。

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2013年1月26日(土) 東京新聞 TOKYO Web

神奈川県警セクハラ事件 被害者の氏名朗読 地裁裁判官

 神奈川県警大和署の男性警察官四人がカラオケ店で後輩の女性警察官の服を脱がせるなどのセクハラ行為をした事件で、強要容疑などで逮捕された巡査部長森克演(よしのぶ)容疑者(35)の勾留理由開示の法廷が二十五日、横浜地裁で開かれ、吉岡正豊裁判官が被害女性の氏名を読み上げた。法廷は公開で約十人が傍聴した。

 昨年十一月の同県逗子市のストーカー殺人事件を受け、兵庫県や山梨県の性犯罪事件では、被害女性の氏名を記さない逮捕状の請求を裁判官が認めるなど、刑事手続きの過程で被害女性のプライバシーへの配慮が始まったばかり。裁判官の対応が問われそうだ。

 法廷では、吉岡裁判官が事件の概要を説明した際、被害女性の氏名を複数回朗読した。森容疑者の弁護人に「プライバシーへの配慮に欠けるのでは」と問われると、吉岡裁判官は、容疑者の反論する権利を守るために読み上げた、と答えた。

 横浜地裁は「個別事件に関する裁判官の判断であり、取材には答えられない」としている。県警は十九日の森容疑者らの逮捕発表では、被害女性を匿名にした。


◆裁判官も配慮必要

 元東京高裁判事の木谷明弁護士の話 容疑者に容疑の内容を正しく伝えることは必要だが、日時や場所、被害者の年齢などで特定すればよく、公の法廷で氏名を読み上げる必要はない。裁判官にも被害者のプライバシーへの配慮は必要だ。「裁判官の独立」の問題はあるが、問題意識を共有してもらいたい。